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ジギング超入門テキスト

文:沢木好男

「ジギングを楽ちんに」をコンセプトに、沢木好男がわかりやすく解説。タックルの選択からジグのアクションまで、すぐに使えるノウハウを公開します。



ようこそ、ジギングの世界へ。

海のルアーフィッシング、いわゆるソルトルアーと呼ばれる釣りジャンルは、シーバス釣りを中心に古くから行われていたが、一つのスタイルとして現在のように幅広く定着したのは、割合最近の話である。

その背景には、伸びがなく強いPEラインの登場があった。そしてPEラインの登場とともに開発された釣法がジギングである。

船から行うオフショアジギングは、メタルジグを海底まで沈め、ロッドをしゃくって(ジャーク)アクションさせながら巻き上げつつ魚を誘うのだが、伸びのあるモノフィラメントラインでは、ラインがロッドアクションを吸収してルアーに適切な動きをさせることができなかった。従ってジギングはソルトルアーの中でも比較的新しい釣法であるといえるだろう。

とはいえ、ジギングがブームといわれてからずいぶんと年撃ェ経つ。その間さまざまなノウハウやタックルが開発され、そのタクティクスはある程度確立してきたかに見える。

しかし魚がジグに食いつくという一連の動きは目に見えない海中で行われているわけで、なぜ食わないのか、なぜ釣れたのかなどといった現象に対する理由付けは、あくまで憶測の域を出ることがない。そこをなんとか真タに迫ろうとするのも、また釣り人なのだろう。

今回は、オフショアジギングについて、ジグのアクションやタックルの選び方といったところから、蛯ノ初心メや入門者の方を対象に、わかりやすく解説してみた。

コンセプトとしては、新しい潮流として注目されているスロースタイルではなく、ジギングの基本となる“ジャークでジグを演出し魚を魅了する”ことをベースに、そしてなるべく楽をしながら魚を釣る、ということをめざしてみたい。

釣るための3つのチェックポイント

ジギングは、しんどい釣りであるといわれる。一日中、ロッドをアクションさせ、リールを巻き、それで何も釣れなかったりしたら、その徒労感は計り知れない…。というのは、タ際にはちょっとちがう。

ジギンガーの頭の中は、いつもジグと魚のイメージでいっぱいになっており、その都度に戦略をたてて体を動かしているわけで、ジギングをやらない人が思うほど、きびしいものではないのだけれど、それでも魚は釣れた方が楽しいし面白い。いや、正直にいうと釣れないとやっぱり普段の倍は疲れるのである。

ということで、「なぜ釣れなかったのか」を考えるのは、ほかの釣りと同様に大切なことになってくる。

釣れない理由として、潮が悪い、魚に食い気がないなどというのは、みんなが共有する状況だから仕方がないとして、その日の船中で(釣る気満々であるにも関わらず)、自分釣果がいつもスソの方だとすると、これはどこかに原因があると考えられる。

チェックポイントを3点挙げると、こんな感じになるのではないだろうか。

1.魚のいる層を探っているか。

2.タックルの選択は正しいか。

3.、ジグに合わせたジャークができているか。


それぞれについてこれから詳しく解説してみよう。


釣り始めは全層ジギングがおすすめ


ジギングは、一言でいうと根性の釣りである(残念ながら私もそんなに根性はない)。まず最初に、ジギングと「根性」の関係について語ってみよう。

ジギングは重いメタルジグを深い海の底からしゃくりながら巻き上げていく釣り方だから、ジグの重さだけでなく水圧も加わり、タックルの重さも加わって人間の体には大きな負担となってくる。それを一日中繰り返す。

しかし私のように、“魚は釣りたいがそれにふさわしい根性が備わっていない人間”の場合、疲れたら釣りを止めてしまうか、疲れないように20回くらいのジャークで止めてまた底を取り直す。これが釣れない原因となっていることがある。

もちろん、底から10m以内でばかりで食ってくる時もある。しかし魚がどの層で泳いでいるかわからない状態で底だけを探っていてもヒットの確率は低くなるのは当然で、例えばフィールドが水深50mだったとして、それを10m区切りで分けると5分割される。

もし底から10mしか狙っていないとしたら、ヒットの確率は5分の1。ヒラマサやカンパチ等の比較的底近くにいることが多いターゲットだったとしても、ヒットの確率は底だけしか狙っていない場合だと3分の1以下に減ってしまうだろう。これは大きな機会損失だ。

ではどうしたらいいのか。

まず現場についたら、その日の魚の遊泳層が全くわからないものだと考えることにしよう。船の魚探に映る魚の反応が底付近だけだったとしても、食って来る層は底だけだとは限らないからだ。

ここは重要なポイントで、ほとんどの人がこれで惑わされている。ジギングのメイン対象魚であるブリ、ヒラマサ、カンパチ等のいわゆる青物と呼ばれる魚たちは、追い食いをする魚なのだ。

ブラックバスやハタ類など、物陰に潜んで獲物の接近を待ち、ヒ程内に入った瞬間、電光石火の早業で食う、いわゆる待ち伏せ型のハンターたちは、一様に口が大きい。これは獲物に逃げられないよう、できるだけ多くの水を吸い込み、水流の力で獲物を口にとらえるためだ。

ところが青物はそれらと比べ口が小さい。これは大きすぎる口では遊泳スピードが翌ソるためだと考えられている。つまり彼らは、フィッシュイーターとしては小さめの口を持ち、少ない水抵抗で、猛スピードで泳ぎ、逃げる魚を追いかけ捕えることに適した体の構造をしている。口の大きな魚は底にいるベイトを、ブリ類は泳ぎまわるベイトを捕食するという、これがいわゆる自然界における住み分けというやつなのだろう。

青物が底べったりに潜んでいるような状況でも、彼らは自分から逃げていく獲物に反応する。逃げる獲物を追撃し、タイミングを見計らって食いついているのだ。それなのに、底から20ジャークくらいでしゃくりを止めていたのでは、せっかく追いはじめた魚が目標を見失い、Uターンしてしまう。

水深100mを超えるディープジギングでもない限り、その日のヒット層がわかるまでは全層ジギング、つまり表層まできっちりとジギングし続けることを心がけよう。水深が100m前後の場合でも、底から70mくらいまではジギングし続けることが肝心だろう。

ただし先に述べたように、ジギングは非常に体力を必要とする釣りである。水深があり潮の流れも速いポイントで、全層ジギングを行うというのは過酷な作業となるだろう。これがつまり、根性の釣りであるという所以なのだ。

しかし私も含めて根性のある人はそうそう多い訳ではない。ではどうしたらいいのか。その答えがタックルの選択にある。

全層ジギングを行うには、体力への負担をできるだけ減らすということが重要となる。ここにタックル選択の要素がある。つまりジギングにおけるタックル選択は、体力消耗が少なく、なおかつ釣れる道具を選択するということがポイントとなる。

これに基づいたタックルの選択方法を解説しよう。

→【タックル編・ラインの選び方】