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ジギング超入門テキスト
【ジャークを覚えよう】

文:沢木好男

「ジギングを楽ちんに」をコンセプトに、沢木好男がわかりやすく解説。タックルの選択からジグのアクションまで、すぐに使えるノウハウを公開します。

ジギングの基本・ワンピッチ・ジャーク

いよいよジャークパターン、要するにしゃくり方について。

ジャークパターンは使用するジグによって異なると申し上げて良いと思う。ジグの特性をよく知り、それに合ったジャークを行い、それに合ったタックルを用いることが、爆釣パターンを生み出す最高のタクティクスなのである。

それではさまざまなジャークパターンと、それに合ったジグとタックル(主にロッド)を解説してみよう。

まずはジャークの基本から。


写真の左から右への動きとして見てほしい。ロッドの持ち方は薬指と小指の間にリールフットを挟みロッドエンドを脇に挟んで構える。

左の写真の位置から中の写真の位置までしゃくり上げ、右の写真の位置まで戻す。この間、リールのハンドルを1回転させる。つまりジャークと1回のリーリングは同時に行っていることになる。

これで1回のジャークとなる。つまり“1しゃくり”だ。

手元の動きは20cm〜30p程上下するだけだが、ロッドティップは5.5フィート以上のロッドだと100cm近く動くことになる。

この動作を行う時に少しだけコツがある。

右写真、ロッドが最も下の位置にある時、ロッドは軽く握っておき(軽すぎるとタックルを海に落とすことになるので注意)、中の写真の位置、しゃくり上げた時に「グッ」と力を入れて握る。

そうすることで、動き始めは遅く、上に上がった時点でシャープにしゃくることとなり、一連の動きに加速度が付くことになる。イメージ的には「ビシッ、ビシッ」といった感じのしゃくり方になるはずだ。

このしゃくり方がジグに適切な泳ぎを与える最も良い方法で、釣果にも大きく影響するので良く覚えておいてほしい。これがジャークの基本である。

これを連続して行うのだが、そのバリエーションにはさまざまなものがある。次にジャークパターンについて解説していこう。

「桃太郎」で覚えるワンピッチジャーク・その1

最も基本的なジャークで、とりあえずこれだけ覚えてしまえば、日本中・世界中どこに行ってもジギングで魚が釣れる。このジャークで一日中通しても全く問題ないし、実際にそうするエキスパートも多い。

やり方は簡単。上記のジャークを連続して、リズム良く行うこと。手元で20pから30pの動きとなるだろう。ワンピッチジャークのリズムには童謡がよく合う。

「桃太郎」、「かもめの水兵さん」、「ウサギとカメ」、これらはどれも同じようなリズムである。これらの歌のリズムに合わせてしゃくり上げてくれば良いだけである。ただし歌は頭の中だけで良い。実際に歌いながらしゃくっていると変な人だと思われる。

例えば「桃太郎」でワンピッチのリズムをとる場合は以下のようになる。

も〜もたろさん も もたろさん おこしにつけた きびだんご
1  2  3  4 5  6  7  8 9 10 11 12 13 14 15 16

一小節ごとに区切ってみた。下の赤い数字がジャークの回数。判りやすいと思う。

ワンピッチジャークで大切なのは、ロッドをしゃくる時と戻す時で、ほんのわずか時間差をつけることだ。ロッドをしゃくる時は加速するようにビシッとしゃくるが、戻る時は若干ゆっくりと、腕の力を抜くような感じで下まで戻す。

これによって、ジグの動きに明確な差が生じメリハリがはっきりする。この動きは魚の捕食スイッチをONにさせやすく、また魚に食う間(ま)を与えることにもつながり、ヒット数に大きく影響する上、しっかりと食わせることができるためバラシも少なくなる。
ただししゃくる時と戻る時のスピード差はあくまで若干、気持ち程度で良い。

このパターンでずっと通しているエキスパートもいるくらい汎用性の高いジャークパターンである。ただしロッドアクションによる動きの違いから、ロッドによって適したジグのタイプが異なる。

ファーストアクションのロッドを使った場合だと、ロッドの反発は素早いが反発幅が狭くなるので、小さな力で良く動くタイプのジグや、巻くだけでローリングアクションするようなジグが向いている。

ブリッジのイノセント、スミスのメジューム、MCワークスのキラージグW、デュエルのアイルフラッシュCS等がそうだ。魚がジグザグに逃げるようにジグが上昇する。

スローアクションか1ランク細いファーストアクションのロッドを使った場合は、スライドタイプのジグを用い、横スライドダートを意識してやる。

スミスのCBマサムネ、ナガマサ、サイドスラスター、テイルウオークのグレートバリアスリム、ブリッジのスキッドセミロング等が向いている。ジグはZ字を描きながら上昇していくイメージだ。

ワンピッチジャーク・その2(平戸ジャーク)

ワンピッチジャーク(1)と基本は同じだが、ジャーク幅を大きく、素早く行い、戻す時にゆっくりやる方法。手元の動きは40p前後となる。

リズムは体操のリズムとなる。
「オイッチニ! サンッシ!  ニイニッ!サンッシ!」といった感じ。

オイッチニ! サンッシッ! ニイニッ! サンッシ!
1    2  3   4 5   6 7   8

下の数字がしゃくり上げるタイミングである。

素早く大きく、「ビシッ!」といった感じでジャークすることにより、ジグは大きな横スライドダートをするようになる。そしてジグが沈下しはじめる直前に次のジャークを加えてやる。

いわゆる“平戸ジャーク”と呼ばれる方法だ。

このジャークパターンは、ジグを大きくスライドダートさせることが目的であるため、使用するジグはロングタイプやスリムタイプが良い。スミスのCBマサムネ、ナガマサ、テイルウオークのグレートバリアスリム、ブリッジのスキッドセミロング等だ。

使用するロッドはスローアクションのものかファーストアクションなら1ランク細いロッドを用いたほうが良い。それも5.5フィート以上のものを用いたい。

リールもリトリーブレートが90cm以上のものでないと、大きなジャーク幅に追従できない。特にヒラマサには絶大な効果を発揮するジャークパターンだ。

ワンピッチジャーク・その3

これはワンピッチジャーク(2)と同じリズム。体操のリズムで行うが、ロッドの上げと下げを逆に行うやり方である。

つまり(2)の場合はロッドを上げる時に早く、下げる時は比較的ゆっくりだったのに対し、(3)では上げる時にゆっくり上げ、下げる時に素早く下げて素早く巻き取るというやり方である。最初は慣れが必要かもしれない。

普通ジギングのジャークはロッドを上げる事から始めるのだが、このパターンに限っては下げる方から始めると良いだろう。

ロッドをゆっくり目にしゃくり上げるという事は、ジグにあまりダートをさせず、ジグが水流を受けて左右にウォブリングやローリングをしながら持ちあがる。しかし動きが止まると、ジグが横を向いていないためにすぐに沈下しはじめる。

沈下する時は真直ぐに落ちるので魚の見切りが速い。従って沈下を始める前に素早くライン巻き取り、次のジャークを行う。

このパターンはファーストアクションのロッドの方が向いており、使用するジグも、ダート系ではなく、少ない水流で良く動く、ミノーアクションに近いもの、いわゆる“スイミング系”と呼ばれるものを用いると良い。

ブリッジのイノセントやスミスのメジューム、ランブルベイトのハオリF2などがお勧めだ。
このジャークは特にブリに効果絶大である。

ワンピッチジャーク・その4

やり方は(1)と同じだが、リーリングが止まらないようにジャークするやり方。

ワンピッチジャーク(1)だと、しゃくり上げ時にグッと力を入れるため、ロッドが上にあがっている時にはリーリングが止まっている。

この方法は、シャクリよりもリーリングに神経を集中し、リールの回転が止まらないように気を付けながらジャークする。するとロッドを持つ手にあまり力が入らなくなるはずだ。

リズムはワンピッチジャーク(1)と同じく、童謡がいい。

ワンピッチジャーク(1)の場合はビシッという感じでしゃくっていたのが、リーリングを止めないように気を使いながらしゃくると、ヌルヌルといった感じのしゃくり方に変わるはずである。これにより、ジグはS字を描くような動きとなる。

イメージとしては、童謡を頭の中で歌いながらしゃくる点では同じだが、あなたが指揮者だったとして、ワンピッチジャーク(1)がロッドを持つ手で指揮をしているイメージなら、ワンピッチジャーク(2)はリールの回転で指揮をしていると思えばいい。

この方法は、ワンピッチジャーク(1)で食いが悪い時やアタリはあるがフックアップしにくい時、あるいは時合でフィーバーが掛っている時などに非常に効果がある。

ジグはスライド系でもスイミング系でも良いが、ファーストアクションのロッドを用いるとやや小刻みな動きとなり、スローアクションのロッドを用いるとやや大ぶりな動きとなる。

従ってファーストアクションのロッドでは早めに、スローアクションのロッドだと遅めにリーリングすると良い。

青物の食い気が立って、我先に捕食しているような状態の時、いわゆる“時合”の際に他のジャークパターンよりもヒット率が上がる。

ハイスピード・ワンピッチジャーク

ワンピッチジャーク(4)と全く同じやり方を、猛烈なハイスピードで行う方法。別名ジャガジャガ巻き。

ハイピッチショージャークとかハイスピードジャークなどとも呼ばれるが、どれも同じ。ワンピッチジャークをハイスピードで行う事からここではハイスピード・ワンピッチジャークという呼称に統一する。

リズムは童謡“森のくまさん”で取ると良い。ワンピッチ(4)が楽にできる人なら、すぐにでも可能だろう。

激しい動きとなるので体力の消耗が激しく、ライトタックルでないと持続不能である。

このジャークのポイントは、必ず途中で何度かポーズを入れてやる事である。どんなに早いシャクリでも魚は楽に追い付く事はできるが、右へ左へ激しく変化するものは食いにくい。
従ってこのパターンでは魚は追いかけるだけか、食いついたとしてもフッキングが浅くバラシに繋がることが多いので、魚の“食うタイミング”を作ってやる必要がある。そのための一旦停止、ポーズなのだ。

このポーズは一瞬で良く、1秒以上止めた状態が続くと魚に見切られてしまう。

どんなジャークにもいえることだが、止める時間が長いと、特にヒラマサの場合は見切られることが多い。“見せすぎてはいけない魚”だと思う。

ただしにブリに限っては長いポーズに食ってくることが多い。ポーズ時間の目安は、ヒラマサ、カンパチの場合で1秒以内、ブリの場合は1〜2秒となるだろう。

ポーズを入れる回数は、ジャーク15回から20回ごとに1回程度で良い。多すぎるとUターンする魚が増えるし少なすぎると十分に引き付けられない。

ロッドはファーストアクションの方が圧倒的に向いている。またリールもリトリーブレート90cm以上の物の方がピッチに合う。

使用するジグは細かいロッドアクションに反応するタイプが良い。ブリッジのスキッドノーマル、テイルウオークのグレートバリア、ランブルベイトのハオリキング、デュエルのアイルメタルCSなど。またダート幅の大きい、ロングタイプジグもこのパターンでは良い結果に繋がることが多い。

このジャークパターンは、魚探に反応があるのにバイトがない時や、カンパチの時合の際に、ジグに飽きさせず、食いを長く保たせたい場合に効果がある。

ハーフピッチ、クォーターピッチジャーク

一回しゃくるごとに、リールを2分の1回転(ハーフピッチ)、あるいは4分の1回転(クオーターピッチ)だけ回す方法である。これは特定の条件下では恐ろしく効果のある方法で、特に大型のヒラマサに効く。

これはいわゆるスロースタイルジギングとは異なり、フォールで食わせることを目的としたものではなく、あくまでジャークにより魚を魅了することを目的としている。

しゃくり方は、力強くビシッ、ビシッと行うが、あまり大きくしゃくると、1ジャークごとにリールを半分か4分の1回しか巻かないため、糸ふけを十分に回収できない。

ロッドティップが50p位上がるイメージでしゃくれば良いだろう。手元の動きは10cmから15cmくらいになるはずだ。

リズムは“体操”つまり「いっちに、さんし、にいにっ、さんし」という感じ。

これは1/4回転の場合だと、20回しゃくっても5回巻いただけということになる。リールの1回転あたりの巻き上げ量が100cmだった場合、底から5m巻き上げる間にジグに20回アクションを加えたことになる。

つまりジグをあまり移動させたくない場合に有効なジャークパターンだ。

ジグの移動を抑えたジャークが有効となるのは、たとえば青物が底付近のみで捕食している状況。特にサワラやツナ類が居るシーズンには、青物は上まで追いかけて来ないことが多い。

もしかしたらこれも自然界の住み分けなのかもしれない。中層から表層をサワラやカツオあるいはマグロに奪われることによって、青物は必然的に底付近のベイトしか捕食できないような状態に追い込まれているのかもしれない。

そのような状況では根魚のヒットが減る事から、根魚は更に遠くへ追いやられているのかもしれないという憶測もできる。ただしこれはあくまで憶測の域を出ない。

この傾向は大物ほど顕著なようで、面倒くさいのか老獪で争い事が嫌いなのか、カツオやサワラが多い状況で、中層以上でヒットするのは中小型の青物が多いように思える。そのような状況では、移動幅の少ないジャークは非常に有効となるのである。

この方法には一つのコツがある。

それはジグを投下した際、必ずしも魚のいるスポットに入るわけではないということ。つまり船の移動に合わせた手返しの良い釣り方が要求される。

ジグを底取りしたら、ハーフジャークもしくはクオータージャークを開始し、20回しゃくり終えたら急いで巻き上げ、すぐに再投入する。そうすることでポイント全体を細かく攻めることができる。

一か所のポイントで、船が移動する間にどれだけ投入できるかが重要で、回数多く投入できるほど大物の目の前にジグを落とすチャンスが増えることになる。

船は潮や風の非常に弱い日でも1分間に2〜3m移動し、強い場合には1分間で10m以上移動している。

水深50mで、ジグ投入から1/2回転、あるいは1/4回転ジャークを20回行い、すぐに回収しても、全行程で最低でも1分は掛るだろう。その1分間に船がどれだけ動いているかがカギとなる。

船の移動が少ない風の弱い日であれば、ポイントを細かく探っていけるが、風の強い日は船の移動が大きく、細かく探ることができない。

従って1/4回転ジャークでは、20回しゃくり終えたらどれだけ早くジグを回収でき、すぐに再投入できるかという、スピードがカギとなるのだ。

また20回しゃくったら回収せずに底を取り直す方法はお勧めできない。なぜなら底から5mほどしか巻き上げていないため、実際にはほとんど移動しておらず、20しゃくりで底を取り直しても、まず間違いなく同じ場所に落ちている。

船の移動にしたがってラインが斜めになるので根掛かりする確率も高くなる。一回ごとに全て巻き上げてジグを回収し、再び落とすことで違う場所を攻めることができる。

更にこのジャークパターンは、ベイトとなる小魚が中層以上に存在している時、あるいは大物と思える魚影が中層以上に位置し、水面に意識が向いている時には効果がない。

ただし先出のような状況の場合、大物はほぼこの方法にしか食ってこないことがよくあるので、必ず覚えておきたいジャークパターンだ。

使用するロッドはファーストアクションのもの、それもベイトタックルが向いている。更に素早い回収を考え、ベイトリールはハイギアの物の方が良い。ベイトタックルを持っていなければスピニングでも可能だ。

ジグは少ないジャーク幅で確実にアクションするものが向いている。スミスのメジューム、シャウトのステイ、ランブルベイトのフラッシングハオリなど、寸胴なタイプのものが良い。

→【ジグの色について】