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アキュレート&DAIKOで狙う
メキシコ沖のキハダマグロ釣行
@San Jose del Cabo

JEFF FURUKAWA
2013年10月


4泊5日の日程でロサンゼルスから空路2時間のサンホセ・デル・カボ(San Jose del Cabo, Mexico)への遠征に参加した。同行者はアメリカ人釣りクラブの総勢17名で、ロサンゼルス近郊を中心にシアトル、サンフラン、アリゾナからのメンバー達である。

このクラブは17年の歴史があり、年2回メキシコ遠征を行っている。

目的地のSan Jose del Caboは巨大キハダマグロ(200kg)やマーリンのトーナメントで有名なスポーツファイッシングの聖地である。

今回の目的は ポッピングとジギングでの大型のキハダマグロのキャッチである。

日曜午前にロサンゼルス空港を経ち、Caboには午後2時に到着。時差は1時間である。早速ホテルに入りテカテビールで喉を潤しながらタックルを組む。タコスをつまみにビールとマルガリータを飲み進むうち、いつしかテキーラショットに変わり人知れず昇天したのは言うまでもない。

23フィートの小型ボートPangaで出撃
150kg級のブルーマーリンとファイト。(1日目)


朝6時 港に到着。23fの小型PangaボートJariSosaのスキッパーJesusを探す。

あどけない笑顔の残る20歳の船長であった。父も中型遊魚船の船長、伯父さんも大型クルーザーの船長と典型的なメキシコのファミリービジネスである。彼ら親族は子供を小さい時から船に乗せ、ライセンスが取れると次々と独立させて勢力を拡大しているそうである。

やっと東の空が白みがかった午前6時30分出港。晴天、無風、スウェールもピッチが遅い2フィートほどで凪、釣りやすいコンディションである。

約1時間のフルスロットルでコルテス海の漁場に到着。まだ周辺には船が一隻もいない。なお、PangaにはGPSはもちろん魚探すらない。(私のカヤックにも両方着いているのに!)

Jesusは「ここはキハダとカツオのポイントだよ」と言っているが、何を根拠に言っているのか聞いても「Nada」としか返事が無い。私の片言のスペイン語と彼の単語だけの英語でのコミュニケーション。何を行っても今更仕方が無いので早速ジギング開始することにした。

すると3kgのカツオ、 立て続けに8kgと10kgのキハダが釣れる。

私 『Mucha Bueno!!! Quiero una pesca de atun mas grande!!!』
Jesus『Si senor uno moment!!!』

と言って場所移動になった。

Jesusは何やら無線で他船と情報交換しているらしい。Pangaの向かったその先にはいつの間にか大船団と鳥山。近づくと至る所にナブラが湧いているではないか!? 

19cmのプラグを遠投。すると二投目に10kgのキハダがヒット。

DAIKO Verger VRCS 82 TUNAとPenn Battle 8000 Gear-Lab Tuneの組み合わせでは秒殺である。ジグでも本カツオ、キハダ数匹、Pargo(10kg)を追釣する。いつの間にか船の周り180度であったボイルが止んだ。

「Tuna grande en torno!!!」

一瞬の前触れの後、ロッドごと海に引き込まれそうになった! なんとか持ちこたえるとJesusは「マーリン」「マーリン」と大騒ぎをしている。その声を聞きドラグを思いっきり緩めジャンプを待つと、青い巨大な魚体が3度4度と空中に飛び出してきた。

Blue Marlin 見とれるほどの美しさである!!!
推定150kg弱であろうか?

ジャンプしたかと思えば200メートルくらいの海底に潜られ、再び締めたドラグで引き寄せるとジャンプ。数回のジャンプの後、再び海底に。その繰り返しを五回ほどしたであろうか?

既に1時間15分が経過していた。今回はマーリンを釣りにきた訳ではないし、キープする気も食べる気もないので、これ以上40ポンドの細仕掛けで粘るのもどうかと思い、次のジャンプで船を魚に限りなく近づけ、ラインを切る様指示をした。

Jesusはどうしても取り込みたかったようで革手袋を2重にしてラインを引き寄せるも、突然「パーン」と白煙を上げてラインが吹き飛んだ。

I’m sorry senor.彼は私に謝るが、No problema! No marlin por favor!

すると彼は「土曜日におばあちゃんの家でパーティーがあるので持って行きたかった。」何と彼は朝からマーリンを狙っていたのだった。


メキシコもアメリカ同様、釣りのレギュレーションが厳しい。ほとんどの事がいい加減で平気でルール無視のメキシコであるが、何故かフィッシングに関しては厳格である。リミットのキハダ5匹とPargo2匹をキープして一日目を11:30に終了した。

12:30に帰港。他船の多くも戻っており、ドックの横には観光客が集まり、次々と釣れた魚が吊るされ写真撮影がおこなわれている。

その奥では石で作られた大きな解体テーブルがあり、有料で魚をさばいてくれる。スピード勝負なので、めちゃくちゃいい加減。北米ではいつも見る光景だが、鱗・えら・内蔵はそのままで身だけを切り捌いている。最後に皮を引き4分割した切り身に変身。骨にはトロの部分、かまの部分、頭が着いており、それがゴミ箱に直行である。

飛行機の預け荷物の重量制限は23kgである。まだ2日もあるのに身だけ柵にしても一日で23kgになってしまった。


アキュレートで30kgのカンパチを釣る。
このドラグと安定感は特筆ものだ。(2日目)


前夜のうちにEZ Notterで60LBフロロリーダーを組み直しDAIKO Verger VRJB60/4にAccurate BX500Nを装着し、MC Works Gutter Jig SilverとVacuum Hook 6/0をスプリットリング経由で独自のマル秘ノット(?)で結束。

キャスティングにはBillyのシンキングペンシルを初投入。

前日、他船の仲間はそれほどの釣果が出ていないようで、初日の日曜日に80歳の誕生日を迎えた最高齢メンバーのベンジャミンに「俺の分も釣ってきてくれ!」と送り出された。スキッパーのJesusには3度「No marlin por favor!」と念を押しておいた。

出航後30分居眠りしている俺に向かいJesusは「マーリン」「マーリン」と叫んでいる。ふと横を見ると2匹のマーリンが背びれを海面に出して寝ていた。

親指で進行方向を示すとJesusは渋々同意してまた全速走行でぶっ飛ばす。昨日と同じ場所らしいが、俺が不思議そうな眼差しを向けると、彼はスマートフォンを俺に向けた。そうか! GPSアプリか! 覗き見ると、、、何と、、、GPSではなく彼女とチャットしていたではないか!?

と言う事で、Jesusは典型的なアミーゴだ!と勝手に納得してしまった自分であった。

ジギング開始。

数回の場所移動で数匹のキハダ(5kg〜10kg)Pargoが釣れるも、まったりした時間が過ぎる。突然前触れも無くキハダが周りに湧いたりしている。キハダは年中万遍なく釣れるが9月〜12月が最盛期だそうである。しかし今年は水温の関係か小型が大漁で大型が少ないそうである。

ここでの釣り物ではキハダを除くと、Amberjack(カンパチ) Dorado (シーラ)Roosterfish、 Wahoo (沖サワラ) Cabrera (大型根魚), Groper(ハタ科の大型魚)などが面白い。

10時頃、200フィートでジグ着底直後10回ほどワインドした時に、今までと違う大きなヒットがあった。 数個のジグロストもあり、大きな根の上での釣りと解っていたため、かなり強引なファイトで挑む事にした。

全力でゴリ巻きするも8kgに設定したドラグがAccurate特有のヌルヌルといった感じで ラインを放出している。他社製品のような悲鳴のようなヒステリックなドラグ音は一切しない。

ラインを回収しては出され、さらに回収しても出されで、良型のキハダかAmberjackかGroperであると確信する。

Accurate BX500Nはシマノオシアジガー1500同等の大きさだが、そのツインドラグと特大ギアのため、見かけによらぬ大型キラーである。BX500N末尾のNはナロー(薄い)の意味でスプール幅25mmの完全時ギング仕様のリールである。

Accurate Reelは我が家から約50分東にドライブするCoronaに位置し、工場の別棟では戦闘機のアルミ切削部品も製作をしている。リール工場ではオオクマや森精機など多くの日本製のNCマシーンが置かれ、大きな敷地内で熟練工により稼働している。

現在は、三代目の双子の兄弟が社長件チーフエンジニアである。過去に多くの名品(泳がせのベイトリール、トローリングリール等)を世に出しているAccurateにあって、日本式のジギングやGTのポッピングなど新しいスタイルも積極的に取り上げて商品化している。そして近年それ専用のリールも数多く扱われるようになり 世界中で大きな注目を集めている。

Accurateのジギング専用リール(末尾N)にはシングルスピード+ツインドラグのBXシリーズ、ツインスピード+ツインドラグのDPXシリーズ、シングルドラグのHURYシリーズがある。

今回はBX500N、DPX2-600NNとHURY2スピードFX2-400Nを持ち込んでのテストを兼ねている。いずれも大口径のドラグをリール側面に位置し高次元のドラグ性能ゆえ安心してファイトすることが出来る。私の私感ではあるが長時間の大物とのファイトでは、他社の同じサイズのリールと比べてもダントツの安定感である。

オーバースペック、オーバーキルはもってのほかだが、私は現在の日本でおこなわれている意味の無いライトタックル化には反対である。

タックルは対象魚とのバランスが全てである。例えば20kgのマグロのためPE3号を300ヤード巻いたリールに、不意に50kgのマグロがヒットした場合を想像してほしい。

リール性能に疑心暗鬼になり長時間のファイトを強いられるか、その反対にタックルを信じて余裕のやり取りが出来るか。Accurateは後者であり、それこそが最も特筆すべきポイントである。


さて釣りの話に戻ろう。15分ほどの強引なファイトであがってきたのは港に常設のアナログスケールで30kg強のまるまる太ったカンパチであった。

船縁でも強烈な抵抗を受けたが、最後はJesusのギャフが見事に脳天に決まった。えらを切って血抜きと、額の窪みから神経〆をおこなう。Jesusはその神経〆を不思議な顔で眺めていたので、killing softly! Santa Maria!  と言うと、目をつぶって旨の前で十時を切っていた。

そういえば釣りが始まる前は必ず十時を切っていた。彼は敬虔なクリスチャンであった。

ハワイ・フロリダ・ガルフコーストではよく釣れるAmberjackであるが、西海岸では初めてお目にかかった。

ロサンゼルスの寿司屋でも、日本から鮮魚が送られてくる店が数点ある。カンパチは10kg程度の個体が中心らしく、今回の個体と食べ比べをしてみたい衝動に駆られ、 自分で捌く事にした。


釣れた魚の解体を職とするアミーゴの持つナイフを借り、1ドル札を渡し場所をあけてもらう。

鱗を落とし、えらと内蔵を取り、頭を外し3枚に下ろす。最初は不信感ありありのアミーゴや観光客も、これが日本の刺身スタイルだと言うと興味の眼差しに変わった。

3枚に下ろし、中骨を切って4枚になった切り身を丁寧に柵にする。カマもきれいに取って、最後は骨を持ち上げ「アミーゴ!こっちからあんたの顔が見えるよ!」と言うと、どっとその場が湧いた。

「時間は3倍も4倍もかかるが、自分が釣った魚ぐらいはきれいに捌きたいのが日本人のフィッシャーマンだ!」と仲間の米人達には言っておいた。

さらに其の夜のつまみ用に、キハダとカンパチを刺身に切りそろえた。


「ジギングでこんなに釣れるのを見たことがない。」
とJesusは言い、自分でも釣り始めた。(3日目)

2日間の凪ぎとはうって変わり、1m以上の波と15ノット位の強風が吹いている。

至る所で白波が立っているのにも関わらず、Jesusは全開走行。全身ずぶぬれで時折大きな波に乗り上げ真空状態になる。時折Jasusは悲鳴を上げながらそれでも全速力にこだわっている。何かに掴まっていなければ座ってもいられないほどである。

昨日中に「3日目は大型キハダ以外は狙わない」と言う事で、別のポイントに入る約束をしてあった。1時間30分後エンジンが止まる。周りを見ると30f以上の船ばかりで、Caboでは最も一般的なPangaは何処にも見当たらない。

200gのジグを落としてみるが、強風とさらに強烈な潮のため30度くらいの角度でラインが出て行ってしまう。大物狙いのためDPX2-600NNにPE6号を使用しているのでこれは致し方ない。疲労覚悟で持っている最重量の350gのジグに変更する事にした。

ふと横に目をやるとJesusのジャークが様になっているではないか?

「Jiggingでこんなに釣れるのは初めて見た」

と言う事で、最初興味本位で私のタックルをいじっていた彼も、いつしかかなり本気モードに突入していた。私のジャークパターンを真似て3日間でかなり多くの魚を釣り上げていた。

本ガツオ、ハガツオ、キハダ最大10kg、シイラが散発的に上がるも、釣れたそばから全ての魚を船縁でリリース。疲労困憊になりながらもひたすら重いジグをアピールしているのに結局期待の大物からのシグナルは無かった。

午前9時頃からドテラのPangaでは、時折来る大波で立って釣るのも厳しい状況になってきた。

撤収を促すと、いきなり私の使っていなかったキャスティングタックルからルアーを外し、6/0のムツフックを結んでいる。先ほど釣り上げた50cmくらいのカツオの鼻先にニードルを使ってPEを通し、それに6/0のムツフック絡ませている。

生き餌でトローリングをしながら帰港しようとの事であった。ベイトタンクの中にキープしてあった生きたカツオを数回交換し、2時間ほど3ノット以下のスピードで走っただろうか?結局マグロがヒットする事無く11時に沖上がりすることになった。

3日目は持ち帰りの魚は一切無しである。言わずもがなJesusは悲鳴を上げながらPanga全速力である。背骨が折れるかと思った瞬間が何度もあった。

港に着くと至る所に魚がつり下げられている。案の定、風裏の昨日までのポイントにいた仲間は大漁であったのだ。

その後リゾートホテルライフを満喫し、翌日昼メキシコを後にした。釣れた魚は冷凍にし、アイスボックス(23kg)に梱包し持ち帰る事に。我が家の冷凍庫には夏に釣った黒マグロの切り身が寝ているにもかかわらず、キハダ、Pargo、カンパチが追加されることになった。

3日間での我々17人のグループ内での大物は下記のような結果となった。

1位 ブラックマーリン 120kg 生き餌泳がせ
2位 ブラックマーリン 80kg トローリング
3位 グルーパー    45kg ジギング
4位 カンパチ     30kg ジギング
5位 沖サワラ     30kg 生き餌泳がせ


タックル
【ジギング】
Accurate FX2-400N, Daiko VRJB63/3, PE-3, 60LB Fluoro
Accurate BX-500N, Daiko VRJB60/4, PE-4, 60LB Fluoro
Accurate DPX2-600NN, Daiko VRJB58/6, PE-6, 80LB Fluoro

【ポッピング】
Penn BTL8000 Gear-Lab Tune, Daiko VRCS 82 TUNA, PE-8, 130LB Mono

Jeff Furukawa