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サンディエゴから船に乗って
日本流のテクニカルな釣りにトライ

JEFF FURUKAWA
2015.5.27


5月下旬、サンディエゴからロングレンジ船「SHOGUN」でのOpen Party釣行に参加した。同行者はサンタモニカに赴任中の豊川氏である。

総勢30名の参加者の大半は「SHOGUN」の常連客であり、タックルを見回すと年季の入ったオールドスクールが連なっている。

というのはアメリカ西海岸の遊漁外洋フィッシングは、スタイルが以下のように画一化されているからだ。

トローリングでのヒット、もしくはソナーのマークで止まった船をドテラで流し、サーディンやアンチョビエサでの泳がせ釣りである。この方式をフライライン(手動リール、ノーシンカー、モノのトップショットの先にフロロリーダー)という。

対ヒラマサ用ルアーでは、以前から太仕掛けでただ巻きのトップのSurfece Iron、ボトムのYo-Yo Jigなどが存在するが、そこからの進化が止まってしまっている。

私がアメリカに移住した20数年前はマグロ釣りというと、これらの釣りしか存在せず(フロロリーダーはなかったが)、アメリカ人に混じってダントツの釣果をあげていた日系人の諸先輩から教えを受け、これら方法でビンナガをはじめマグロ各種・青物各種・ドラド・バラクーダ等を釣り上げてきた。

現在、われわれ「南爆』メンバーは、数年前より日本の最新のテクニカルフィッシングを駆使し、西海岸を中心にガルフコースト、東海岸の魚たちに挑んでいる。

トップでのプラッギング、ボトムのジギング、最近はスローピッチ・タイラバ・インチクで少しずつではあるが、全米の釣り場の開拓も進めている。

アメリカではバスフィッシィングから派生した西海岸のCalicoのスイムベイトや、フロリダのシャロールアー、北の両沿岸のストライパーキャスティング、アラスカのハリバット、離島のGT、東海岸のマグロのキャスティングなどのルアーフィッシングが広まりつつあるも、ここ西海岸のマグロ遊漁船では、まだまだ認知度が低く周りからの目(遊漁関係者を含む)は今だ疑心に満ちている。

そんな中、今回は房総・伊豆でジギング・キャスティングを始めた豊川氏と、ルアー&ジグで今年のシーズンの開幕前のサンディエゴからのマグロ釣に挑むことになった。


@初日(5月22日)

午前10時出航。ベイトバージ(餌の供給船)にて17cmのサーディンを調達。

キャプテンの話では、初日はアメリカ領海でクロマグロを狙うとのことであった。

出港後たった2時間でソナーに反応がある。まだサンディエゴの街が見える場所だ。

半信半疑でBillyの「カットビ190」を、船首から風下に向けて投げていると、船尾側でのエサ釣りの数人にヒットしている。こちらでは、サーディンがチャミングされ、周辺に魚を浮かせ集めているのだ。

「SHOGUN」は90フィートx30フィールのサイズがあり、サンディエゴのロングレンジ船でも3本の指に入る大型船である。

ヒットしている船尾側と私とは、その距離90フィートである。遠く離れた私の周りのTOPには魚の気配は皆無であった。180gの『ギララジグ』に変更するも時すでに遅く、スクールが散ってしまった。

船はその後、鳥山を探しながら10ノットほどで走っている。時々散発的にソナーマークでストップを重ねる。

時たま、ケルプパディーでヒラマサの50cm〜60cmクラスのチビちゃんが釣れるが全てリリース。

下記はカリフォルニア沿岸アメリカ領海のYELLOWTAILヒラマサのレギュレーションである

(a) 1日のバッグリミット: 10匹
(b) ミニマムサイズ: 全長24インチ(60.96cm) 24インチ以下の場合は、5匹まではキープできる。

午後6時、鳥山を発見。キャプテンによると30匹ほどのスクールで、エサ釣りの複数の竿が同時に大きく曲がっている。

私は船首でAccurate DX2-500とDaiko 6フィート、Gear-Lab のツナキラー『ギララジグ』でハイピッチで攻めるもこの日はアタリがなかった。

20数名のひしめく船尾側ではキャスティングはもちろん、ジギングも中に入ることができない。当然船首は釣り座が高く、ジギング・キャスティングには一層の不利がある。その分、糸ふけのコントロールによる沈下スピードの調整や、ジグの動きの強弱での泳がせ方のバリエーションなど、さらなる神経の集中が必要になってくる。

午後7時30分 納竿。

船中の昼食・夕食ともにレストラン並みのプレゼンテーションで、豊川氏の持ち込んだ高級ワインがすすむすすむ。

ちなみに、この船の食・住環境は遊漁船中の最高レベルである。2人部屋、3人部屋にはシンクも常備され、荷物スペースも十分確保されている。

@2日目(5月23日)

前夜からメキシコ沿岸のSaint Martin Islandの南側を目指し、高速走行が続く。

午前6時。晴天の中、キハダマグロをターゲットにトローリングを開始。これは船尾に4名ずつ。船に常備もしくは個人のトローリングギアを引っ掛け吊るし、魚のあたりを待つという釣り方である。1時間で何も釣れない場合はローテーションして次の4名に変わっていく。

途中、トローリングでキハダ20ポンドが掛かり、そのストップで餌で同型が釣れた。

その後は午後2時を回っても、トローリングロッドにもソナーにも変化が現れない。

業を煮やしたキャプテンの提案で、Saint Martin Island沖のリーフにアンカーを打ってヒラマサを狙うとのことで、2時間半の全開走行が始まる。

午後4時半。そこにはすでに大型遊漁船のIndependenceが操業中である。

アンカーを降ろし、船が安定すると同時に、Accurate DX2-500 とPE4号の組み合わせで、ヒラマサ用150gロングジグを落とす。強風の上、ものすごい潮流があり、あっという間にジグが船尾に流されてしまう。

ふっと軽くなった瞬間、スプールにブレーキをかけ聞き合わせを入れると、明らかな生命反応が伝わってきた。一投目、まだジャークをするまでもないフォール中10秒ほどのことである。船中最初のヒラマサ、推定30ポンドの良型を取り込むことができた。

200gのロングジグに変更するも、船首前方にキャストをしても船尾までに底が取れることが少ない。それでも短時間で2匹を追釣することができた。

強風下は糸ふけを出さず、ジグの重さを常に感じながら、できるだけ早くジグを落とす。カレントのせいで必然的に斜め引きになるので高速巻きが基本である。

Accurate DX2-400 とDaiko 6.3フィート、PE3号、250gのスロージグに変更。沈下モーションの遅さで水深150mの底が取れないので、50mほど落として浮いている魚をターゲットにする。

この日はロング、スローともにイワシカラーがヒットジグだった。

このセットの場合、ジグ回収以外のジャーク中と魚を掛けた時はDX2-400のローギアを選択する。それが功を奏したのか、ヒラマサは型は少し小さくなったが2本、バーミリオンロックフィッシュ(通称RED)特大1匹をとることができた。

メキシコでは1魚種最大5匹までが1日のリミットである。複数魚種の場合は合計で10匹という厳格なルールがある。

この日私は2時間ほどで5匹のヒラマサのリミットを達成してしまい、早めに釣りを切り上げて、ビデオ撮影と船上での個室シャワー(船中3箇所に有り)を済ませていた。

アンカーをかけた島周りでは午後8時まで釣りを行い、船中ヒラマサ(25ポンド平均)86匹、リングコッド3匹、RED4匹、フラッグフィッシュ1匹であった。

ちなみに私の最大魚は40インチ弱のヒラマサ。同行の豊川氏も40インチオーバーを筆頭に数匹をキープしている。


@3日目(5月24日)

夜半から大荒れで、8feet+の波に大型船も翻弄されている。釣行3日目はアメリカ領海に戻り再度クロマグロをターゲットにすることになった。

曇天強風の吹く寒い朝、朝6時よりトローリング開始。午前10時、それまで何の変化もない船のスピードが一気に加速されていく。

見ると遠くでセスナが旋回しているのが見える。

実はこの船のオーナーは、イワシ漁船とそれを餌として販売するベイトバージ、さらに複数の遊漁船のオーナーである。ヘリやセスナを飛ばし、上から魚の情報を暗号を使って操業中の船に伝え、それを釣果に、はたまた集客に反映させている。今回はピンポイントで大きな鳥山の風上に船をつけることができた。

逆風のため、プラグは諦め、Accurate DX2-500 Gear-Lab 「ギララジグ180g」で戦闘開始する。

早くもエサ釣りのロッドが数本海に突き刺さっている。よほど大きなスクールらしく、船の周りいたるところボイルが発生しているではないか! 

ジギングロッドを持ったのを後悔!

船長は、30ポンドから80ポンドまでの魚がいるので、40ポンド以上のタックルを使用するようにと声を張り上げている。

船尾側では、案の定大物に糸を切られたり、針掛かりしたラインがお互いクロスし絡み合ったり、マグロに怯える餌が蛇行してラインの絡み合いが発生し、大混乱状態が続いている。その中で、運良く太仕掛けで短時間に勝負した人だけがマグロを取り込むことができていた。

初日は、この時に比べはるかに小さいスクールであったが、1時間ほど断片的にヒットがあったため、マグロも船中13匹を数えることができたが、この日は大きなスクールが一気に食って船上をパニック状態にし、そして30分で一気に沈んで行ってしまった。

船首で釣る私は私は開始直後に、魚をかけることができた。Accurate DX2-500でのパワーファイトが功を奏したようだ。

ジギング時はハイスピードを選択、フッキング後は竿をラインと一直線を基本に、リールのドラグだけで勝負をする。3kgに設定したドラグがファーストランでヌルヌルと沖に出て行き、それが2色ほどで止まる。

次にマグロは潜り始めたものの、水深が深くなるにつれて密度の高くなる水の抵抗に負けて次第に走りが止まってきた。

戦闘開始である。もちろん瞬時にローギヤに叩き込んでいる。

混乱状態の船尾には入らないように、ポンピングと竿のリードとロースピードのゴリ巻きで短時間勝負を挑む。

約5分のファイトで上がってきたそれは、船長曰く40ポンドの綺麗に光り輝くクロマグロであった。

船全体でわずか7匹が船上に。このストップではヒット数の2割しか取り込むことができなかったとのこと。

それから何も変化のない時間が続き、私のトローリングの順番となった。

午後3時半、ケルプパディに沿って船を進めると、私を含め何本かのリールから勢い良くラインが出て行く。小さなヒラマサが追っているのが見える。

デッキハンドのHook Upの合図で一瞬船は減速するも、ケルプパディの群れはチビヒラマサと判断したキャプテンは、通常スピードに戻してしまった。

隣に陣取る豊川氏は、即座にチビヒラマサを回収しリリースするが、私はドラグが出続けている。プリンスエドワードのマグロや遠征マーリン用に使うTalica50llであるがなかなか回収ができない。なんと私だけキーパーサイズ(80cmほど)のヒラマサがかかっていたのだ。

人の苦労も知らずか船上に上がった私の釣ったヒラマサを見て、船上一同は大笑いであった。

そして釣れた80cmをリリースし、ギャラリーとハイタッチ。すると誰かが疲労困憊でへたり込んでいた私に冷えたビールを出してくれた。感激!!!

午後5時、遠方に鳥山発見。今回はセスナのアシストはなしである。

前日の良型ヒラマサ5本とのファイト、この日の午前中のクロマグロとのパワーファイト、さらには番外編の巡航中の中でのキーパーとの力比べ。今年シニアシチズン入りの私は疲労困憊である。

実はこんな時のためにエサ用の仕掛けを用意している。

Accurate DX2-400 とPE3のバッキングに30ポンドのモノリーダー25ヤード、トップショットはフロロ30ポンド2フィートを入れた7フィートタックルを投入。

針はマグロでは昔から使う細身のAKI HOOK 2/0である。昨今サークルフックが一般的だが、私は使い慣れたこの針が好きだ。エサへのダメージも少なく気に入っている。

数回のベイトチェンジの後の一投。ラインが30ヤードほど出た頃に、マグロに追い回されるサーディンの感触が手元に伝わってきた。

糸を張り気味に神経を集中させると、一気にラインが引き出された。瞬間的にドラグをストライクに入れ合わせ(向こう合わせのサークルフックの場合この合わせは必要なし)を入れる。

すると弱め(1kg)に設定したドラグが、突進しているマグロに徐々にブレーキをかけているのがわかる。ちなみにDX2-400でストライク1kgのドラグ設定の場合、Fullで3.5kgである。

キャプテン曰く、この日のターゲットは20ポンドから80ポンドとのことで、いくぶん細仕掛けなので慎重なファイトを心がける。

かといって密集地帯の船尾では、それを避けるようにギアをローに入れ強めにコントロールし、なんとか同船者たちとのタングル(同船者のスキル・タックル、釣れている魚の大きさや数やその走り方で、どうしてもラインがクロスしてしまう。それを回避するのだが、自分の判断はもちろんだがデッキハンドのアシストが不可欠である。この船のデッキハンドの判断力とスキルは最高であった)をかわし、15分ほどで35ポンド程のクロマグロを上げることができた。

体力が落ちていた中での1匹は意外なことにスムーズに上げることができた。ドラグもFullまで上げることなく(実はほとんど触った記憶がない)このリールのポテンシャルの高さに改めて感動した。


最後のストップで餌で上げた後は竿を出すことなく、誰よりも早く片付けを始める。結局このストップも各所でバラシが相次ぎ、トータル5匹に満たない釣果であった。午後7時全員納竿。

この夜の食事は豪華なステーキディナーであった。

@4日目(5月25日)

午前4時30分、サンディエゴに帰港。休日の早朝の運転で、午前9時前には自宅のRedondo Beachに着くことができた。

夜には釣り仲間やダイビング仲間を交えての宴会が待っている。疲れた体に鞭打って釣った魚の解体を始めた。

我が家の庭に仮設テーブルを置き、最大2名が一度にそれぞれ魚を捌き、さらには隣で軽作業をすることができる。

そのスキルも常に後輩たちに伝承されていて、我が家に出入りするアングラーやダイバーは、すべて自分で捕った獲物を自分で綺麗に処理することができるようになるのだ。

今回も中堅から新人へ解体の仕方が伝授されていた。それを見るベテランたちの顔も思わずほころんでいる。

特大クーラーボックス2個いっぱいの魚を慎重に1匹1匹捌いていく。徐々に人が集まり出し、各自分担して解体と包装が粛々と進んでいった。「余すことなく供養する」がモットーである。

サンフランよりさらに北のソノマカウンティまで片道10時間のドライブでアワビを採ってきた盟友2名が、特大アワビ2匹を差し入れてくれた。当然お礼はヒラマサとクロマグロである。ダイバー、アワビでマグロを釣る!

午後6時から25名ほどが、わが家の狭いリビングと庭に集まり大宴会を開始。

マグロやヒラマサの刺身・カマ焼き、マグロの腸の湯引きポン酢、ヒラマサの卵の煮付け、メキシコ風フィッシュスープ、ヒラマサのしゃぶしゃぶ、そして各自持ち込んでくれたポットラックのたくさんの料理、さらには友人のスシの板さんが握るスシで場内興奮状態である。

午後10時、恒例の五本締めで宴会終了。

片付けも大同団結あっという間に終わり、梱包された切り身を各自お持ち帰りいただき1日が終了となった。

*総括
結果的に全体的にはそれほど釣果が上がらず、まだプレシーズンといったところであろうか?

個人的には1匹もバラすことなく多くの魚を手にすることができ、船のホスピタリティー、クルーの勤務態度を含め大変満足のできる釣行であった。

気になる話としてメキシコ政府のクロマグロ規制の噂話も入ってきている。今後の動向も気になるところだ。


今回の使用タックル
Jigging #1  Accurate DX2-400, Daiko VRJB 63/3, PE3
Jigging #2  Accurate DX2-500, Daiko VRJB 60/4, PE4
Jigging #3 Shimano STELLA SW10000, Shomano S536F
Jig Hot’s KEITAN JIG, Nature Boys SWIM RIDER, Gear-Lab GIRARA
Slow Jig Kanji FREE SLOW, Xesta SLOW FLAP
Casting Daiwa ISLA 5000H, Dako VRCS 82 Tuna, PE5
Plug Billy KATTOBI 190, Billy Marumuro 200
Bait Accurate DX2-400, Daiwa SAG 70MR-Q, PE3
Trolling Shimano Talica50ll, Shimano TZC-X66XXH-SR

*ここで気になるニュース
Attention Anglers: Upcoming Regulation Changes for Tuna
Due to concerns over population decline, the National Marine Fisheries Service and the Fish and Game Commission will be enacting more restrictive sport regulations on Pacific bluefin tuna (Thunnus orientalis) that will become effective later this year.
Both federal and conforming State regulations are expected to be in place by May 2015, as the fishing season kicks off. The 2015 recreational bluefin tuna bag and possession limits and new tuna fillet regulations will take effect once published in the Federal Register (federal) and state regulations are filed with the Secretary of State. Updated state regulations will be available on the CDFW website, and printed in CDFW’s 2015-2016 Supplemental Fishing Regulations booklet, which is distributed in May.
A detailed description of all the changes to the Pacific bluefin tuna regulations will be available in the California Sport Fishing Regulation Supplement on the Department’s webpage in early summer.

太平洋マグロの減少に鑑み、この初夏ルールの変更があります(超要約)

ちなみに下記は2015年5月28日現在のカリフォルニア沿岸アメリカ領でのTUNAのレギュレーションです。

28.38. TUNAS. The following daily bag limits apply: (a) Albacore:
(1) South of a line running due west true from 34°27’N. lat. (at Point Conception, Santa Barbara County) ? The special limit for albacore is 10, which may be taken or possessed in addition to the overall general daily bag limit of 20 finfish specified in sub-section 27.60(a).
(2) North of a line running due west true from 34°27’N. lat. (at Point Conception, Santa Barbara County) ? The special limit for albacore is 25, which may be taken or possessed in addition to the overall general daily bag limit of 20 finfish specified in sub-section 27.60(a).
(b) Bluefin tuna ? The special limit for bluefin tuna is 10, which may be taken or possessed in addition to the overall general daily bag limit of 20 finfish specified in sub-section 27.60(a).
(c) There is no limit on skipjack tuna.
(d) For yellowfin tuna, bigeye tuna, and other tunas not listed above, the limit is 10. Unlike albacore and bluefin tuna, fish taken under this limit shall apply toward the overall general daily bag limit of 20 finfish specified in sub-section 27.60(a).


5/27/2015 Takashi Furukawa